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02月20日-04号

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  1. 神奈川県議会 2023-02-20
    02月20日-04号


    取得元: 神奈川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-16
    令和 5年 第一回 定例会 △《本会議録-令和5年第1回-20230220-029373-諸事項-出席議員等議事日程-》         令和5年第1回神奈川県議会定例会会議録第4号〇令和5年2月20日 午後1時開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共100名       出 席 議 員                       加   藤   ご   う                       大   村       悠                       桝       晴 太 郎                       永   田   磨 梨 奈                       永   田   て る じ                       菅   原   あきひと                       須   田   こうへい                       す と う   天   信                       上   野   た つ や                       石   田   和   子                       田   村   ゆうすけ                       松   長   泰   幸                       山   口   美 津 夫                       高   橋   延   幸                       武   田       翔                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       お ざ わ   良   央                       た め や   義   隆                       飯   野   まさたけ                       望   月   聖   子                       佐 々 木   ナ オ ミ                       柳   瀬   吉   助                       市   川   さ と し                       佐   藤   けいすけ                       大   山   奈 々 子                       君   嶋   ち か 子                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       綱   嶋   洋   一                       新   堀   史   明                       田   中   徳 一 郎                       野   田   治   美                       脇       礼   子                       石   川   裕   憲                       米   村   和   彦                       栄   居       学                       小   林   大   介                       京   島   け い こ                       井   坂   新   哉                       佐 々 木   ゆ み こ                       楠       梨 恵 子                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       柳   下       剛                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       内   田   み ほ こ                       中   村   武   人                       古   賀   照   基                       青   山   圭   一                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       亀   井   たかつぐ                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       長   田   進   治                       国   松       誠                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       浦   道   健   一                       市   川   よ し 子                       岸   部       都                       く さ か   景   子                       菅   原   直   敏                       北   井   宏   昭                       相   原   高   広                       鈴   木   ひ で し                       藤   井   深   介                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       佐 々 木   正   行                       加   藤   元   弥                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       作   山   ゆうすけ                       松   本       清                       た き た   孝   徳                       松   崎       淳                       近   藤   大   輔                       曽 我 部   久 美 子       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           武   井   政   二         同             小 板 橋   聡   士         同             首   藤   健   治         政策局長          平   田   良   徳         総務局長          筒   浦   浩   久         くらし安全防災局長     佐   川   範   久         国際文化観光局長兼         拉致問題担当局長      香   川   智 佳 子         スポーツ局長        三   枝   茂   樹         環境農政局長        鈴   木   真 由 美         福祉子どもらい局長    橋   本   和   也         健康医療局長兼未病担当局長 山   田   健   司         産業労働局長        河   鍋       章         県土整備局長        大   島   伸   生         デジタル行政担当局長    尾   﨏   美 貴 江         共生担当局長        川   名   勝   義         教育委員会教育長      花   田   忠   雄         同  教育局長       田   代   文   彦         警察本部長         林           学         同  総務部長       重   江   光   一         公営企業管理者企業庁長   髙   澤   幸   夫         企業庁企業局長       柏   﨑   克   夫   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          浦   邊       哲         議会局副局長兼総務課長   高   瀨   正   明         同  議事課長       井   上       実         同  政策調査課長     大 河 原   邦   治   ───────────────────────────────────────           令和5年第1回神奈川県議会定例会議事日程第4号                            令和5年2月20日午後1時開議第1 定県第 1 号議案 令和5年度神奈川一般会計予算   定県第 2 号議案 同  年度神奈川市町村自治振興事業会計予算   定県第 3 号議案 同  年度神奈川公債管理特別会計予算   定県第 4 号議案 同  年度神奈川公営競技収益配分金等管理会計予算   定県第 5 号議案 同  年度神奈川地方消費税清算会計予算   定県第 6 号議案 同  年度神奈川災害救助基金会計予算   定県第 7 号議案 同  年度神奈川恩賜記念林業振興資金会計予算   定県第 8 号議案 同  年度神奈川林業改善資金会計予算   定県第 9 号議案 同  年度神奈川水源環境保全再生事業会計予算   定県第 10 号議案 同  年度神奈川沿岸漁業改善資金会計予算   定県第 11 号議案 同  年度神奈川介護保険財政安定化基金会計予算   定県第 12 号議案 同  年度神奈川母子父子寡婦福祉資金会計予算   定県第 13 号議案 同  年度神奈川国民健康保険事業会計予算   定県第 14 号議案 同  年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計予算   定県第 15 号議案 同  年度神奈川中小企業資金会計予算   定県第 16 号議案 同  年度神奈川県営住宅事業会計予算   定県第 17 号議案 同  年度神奈川流域下水道事業会計予算   定県第 18 号議案 同  年度神奈川水道事業会計予算   定県第 19 号議案 同  年度神奈川電気事業会計予算   定県第 20 号議案 同  年度神奈川公営企業資金等運用事業会計予算   定県第 21 号議案 同  年度神奈川県相模川総合開発共同事業会計予算   定県第 22 号議案 同  年度神奈川酒匂川総合開発事業会計予算   定県第 23 号議案 神奈川県国民健康保険広域化等支援基金条例を廃止する条例   定県第 24 号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 25 号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 26 号議案 神奈川県職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 27 号議案 特別会計の設置に関する条例の一部を改正する条例   定県第 28 号議案 神奈川県観光振興条例の一部を改正する条例   定県第 29 号議案 認定こども園の要件を定める条例の一部を改正する条例   定県第 30 号議案 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 31 号議案 指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 32 号議案 指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 33 号議案 神奈川県歯及び口腔(くう)の健康づくり推進条例の一部を改正する条例   定県第 34 号議案 港湾の設置及び管理等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 35 号議案 土採取規制条例の一部を改正する条例   定県第 36 号議案 神奈川県県営住宅条例の一部を改正する条例   定県第 37 号議案 神奈川県公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 38 号議案 市町村立学校職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 39 号議案 神奈川県地方警察職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 40 号議案 神奈川県迷惑行為防止条例の一部を改正する条例   定県第 41 号議案 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る信号機等に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 42 号議案 建設事業等に対する市町負担金について   定県第 43 号議案 かながわ男女共同参画推進プランの変更について   定県第 44 号議案 包括外部監査契約の締結について第2 定県第 144号議案 令和4年度神奈川一般会計補正予算(第7号)   定県第 145号議案 同  年度神奈川市町村自治振興事業会計補正予算(第1号)   定県第 146号議案 同  年度神奈川公債管理特別会計補正予算(第1号)   定県第 147号議案 同  年度神奈川公営競技収益配分金等管理会計補正予算(第1号)   定県第 148号議案 同  年度神奈川地方消費税清算会計補正予算(第1号)   定県第 149号議案 同  年度神奈川災害救助基金会計補正予算(第1号)   定県第 150号議案 同  年度神奈川水源環境保全再生事業会計補正予算(第2号)   定県第 151号議案 同  年度神奈川介護保険財政安定化基金会計補正予算(第1号)   定県第 152号議案 同  年度神奈川国民健康保険事業会計補正予算(第1号)   定県第 153号議案 同  年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計補正予算(第1号)   定県第 154号議案 同  年度神奈川県営住宅事業会計補正予算(第2号)   定県第 155号議案 同  年度神奈川流域下水道事業会計補正予算(第2号)   定県第 156号議案 同  年度神奈川電気事業会計補正予算(第2号)   定県第 157号議案 神奈川県子ども・子育て基金条例   定県第 158号議案 収入証紙に関する条例の一部を改正する条例   定県第 159号議案 神奈川県手数料条例の一部を改正する条例   定県第 160号議案 幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 161号議案 神奈川県手話言語条例の一部を改正する条例   定県第 162号議案 介護保険法施行条例の一部を改正する条例   定県第 163号議案 神奈川県建築基準条例の一部を改正する条例   定県第 164号議案 神奈川県宅地造成等規制法関係手数料条例の一部を改正する条例   定県第 165号議案 神奈川県道路交通法関係手数料条例の一部を改正する条例   定県第 166号議案 工事請負契約の締結について(県営いちょう下和田団地公営住宅新築工事(建築-第1工区)請負契約)   定県第 167号議案 工事請負契約の締結について(県営いちょう下和田団地公営住宅新築工事(建築-第2工区)請負契約)   定県第 168号議案 工事請負契約の締結について(県営伊勢原峰岸団地公営住宅新築工事(1期-建築)請負契約)   定県第 169号議案 工事請負契約の締結について(県営綾瀬寺尾団地公営住宅新築工事(1期-建築-第1工区)請負契約)   定県第 170号議案 工事請負契約の締結について(横浜緑ケ丘高校体育館(柔剣道場)他新築工事(建築-第1工区)請負契約)   定県第 171号議案 建設事業等に対する市町負担金について   定県第 172号議案 訴訟の提起について   定県第 173号議案 和解について   定県第 174号議案 令和4年度神奈川一般会計補正予算(第8号)   定県第 175号議案 同  年度神奈川流域下水道事業会計補正予算(第3号)   定県第 176号議案 同  年度神奈川水道事業会計補正予算(第3号)   定県第 177号議案 同  年度神奈川電気事業会計補正予算(第3号)   定県第 178号議案 同  年度神奈川県相模川総合開発共同事業会計補正予算(第2号)   定県第 179号議案 建設事業に対する市町負担金について   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和5年第1回-20230220-029374-質問・答弁-渡辺紀之議員-代表質問①地域の活性化について②県行政の新たな展開について③県政の諸課題について》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共98名 ○議長(しきだ博昭) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 審議を行います。  日程第1、定県第1号議案 令和5年度神奈川一般会計予算外43件及び日程第2、定県第144号議案 令和4年度神奈川一般会計補正予算外35件、以上一括して議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  渡辺紀之君。  〔渡辺紀之議員登壇〕(拍手) ◆渡辺紀之議員 皆様、こんにちは。  自由民主党神奈川県議会議員団を代表し、通告に従い、順次質問をさせていただきます。  知事、企業庁長、教育長、警察本部長におかれましては、明快な御答弁を、また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。  質問に入る前に、一言申し上げます。  先週末から本日にかけ、北朝鮮からミサイルが発射され、特に18日には、EEZ─日本の排他的経済水域内に落下したと推定をされております。このような度重なる暴挙は、到底、容認できるものではなく、強く抗議いたします。  〔資料提示〕  質問の第1は、地域の活性化についてであります。  初めに、コミュニティ再生・活性化の総括について伺います。  知事は、2019年の選挙において、笑いあふれる100歳コミュニティの実現を公約に掲げ、その第一声を横浜市の若葉台団地で発し、未病改善の社会参加は、コミュニティーの再生が鍵を握っていると高らかに述べられました。  程なくして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響で、地域の環境は大きく変化し、それとともに、これまで続いてきたコミュニティー活動が停滞することとなりました。  〔資料提示〕  そのような中にあっても、例えば、民間事業者と連携しながら、オンラインイベントの開催支援や高齢者が外とつながるためのスマートフォン教室の実施など、ITを活用したコミュニティーの再生・活性化などに取り組み、地域のつながりを途切れないように工夫してきたことは承知をしております。  私は、知事の目指すコミュニティーは、かつてのような、お互いが日常的に支え合ったり、継続的に交流していく関係だと受け止めております。  また、コロナも徐々に落ち着きを見せる中、対面でのつながりを求める動きも出てきております。  こうした中、人と人とがつながる機会を日常的に、また継続的に、より増やしていくには、今後、従来型の地域コミュニティーに加えて、例えば、地域の垣根を越えた、趣味でつながるコミュニティーづくりや、SNSを活用した新たな人とのつながりなど、県として、さらにコミュニティーの再生・活性化を進めていく必要があると考えます。  そのために、まずは、これまでを振り返る意味で4年間の取組を総括し、その上で、今後に生かしていくべきだと考えます。  そこで、知事に伺います。  知事が掲げたコミュニティ再生・活性化について、これまでどのように取り組んできたのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、今後の観光振興施策について伺います。  約1年間にわたる大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放映が昨年12月、大好評の下、終了いたしました。私も、全話くまなく見させていただきました。  一昨年、私の一般質問でも触れましたが、放映開始前、県内経済への波及効果が日本銀行横浜支店の試算では約260億円、横浜銀行等の試算では約307億円とされるなど、地域経済に元気を取り戻してくれるような、非常に明るいニュースとして取り上げられました。  このドラマは、鎌倉を中心に、東は三浦市、横須賀市から、西は真鶴町、湯河原町までと、本県が主な舞台となっております。  〔資料提示〕  県では、令和4年度において、この放映を捉えて、スポットライトが当たった場所も含めて、鎌倉時代のゆかりの地を巡るデジタルラリー等を実施し、大河ドラマファンのみならず、鎌倉時代を中心とした歴史に興味を持った方々に、改めて神奈川の魅力をPRされ、県内各地で大いに盛り上がったところでもあります。  また、県では、観光需要を喚起するため、令和4年4月6日から県内旅行の割引を行う、かながわ旅割を実施しました。このかながわ旅割は、延長を繰り返しながら、10月まで実施され、その後も継続的に全国旅行支援「いざ、神奈川!」を実施してきたと承知をしております。  現在、社会全体が感染防止対策と社会経済活動の両立に向けて動いていく中で、裾野の広い観光産業のさらなる振興を図るためには、コロナ禍を経て変化した観光客の動向も踏まえながら、今後の新たな道しるべを示していく必要があります。  そこで、知事に伺います。  大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放映を契機としたプロモーション等の観光振興施策をどう評価するのか、また、今後どのように観光振興に取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、社会経済状況の変化に対応しようとする中小企業への支援について伺います。  国は、成長と分配の好循環につながる新しい資本主義を掲げました。その要の一つとして、物価上昇率を超える賃上げを実現するよう、経済団体に求めております。  それを受けまして、大手企業は続々と賃上げを表明していますが、中小企業の7割以上が賃上げを予定していないことが、信用金庫等の実施した聞き取り調査で明らかになっております。  〔資料提示〕  賃上げができない理由は、売上げ回復が進んでいない、水道光熱費増額のためなど、エネルギー価格の高騰や円安による物価高の影響で、賃金を上げたくても上げられない中小企業の厳しい現実が浮き彫りとなっております。  加えて、中小企業は、間近に迫ったインボイス制度や、GX、DX、脱炭素など、様々な課題に対応する必要にも迫られております。  県はこれまで、多様化する中小企業のニーズにしっかりと応えていくため、支援機関の体制強化や、中小企業の稼ぐ力を取り戻すための支援をしてきました。  具体的には、ビジネス転換や経営改善等に向けた資金繰り支援、さらには人材や技術などの経営資源の喪失を防ぎ、事業を継続していくための事業承継の補助などを行ってきたことは承知をしております。  〔資料提示〕  一方、国では、中小企業向けの賃上げ促進税制や、ものづくり補助金等の補助率を引き上げる特別枠の設置、大企業と中小企業の共存共栄を促すパートナーシップ構築宣言の推進など、将来の成長に向けて取り組む中小企業を支援する姿勢を明確にしております。  私は、県としても、今後、大事な局面に入る社会経済の変化に対応するには、国の方向性に歩調を合わせ、喫緊の課題に取り組む中小企業をしっかりと支援していく必要があるのではないかと考えます。  そこで、知事に伺います。  本定例会に提案されている令和5年度当初予算案を含め、社会経済状況の変化に対応しようとする中小企業に対して、今後どのように支援していこうと考えているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、運動部活動の地域移行に伴う受入れ環境の整備について伺います。  学校部活動は世界に誇る日本独自の教育活動であり、生徒が自主的に参加し、生徒同士のコミュニケーションの場となることはもちろんのこと、運動部活動については、生徒のスポーツ活動の機会や運動を実施する習慣を創出してきました。  しかし、国が進めている運動部活動の地域への移行が円滑に進まない場合には、生徒や保護者に不安を与えたり、生徒の活動そのものが制限されたりする可能性があります。このことが運動習慣の低下や体力の向上、健康増進にも影響を与え、生涯にわたってスポーツに親しむきっかけの喪失になりかねません。  昨年6月に有識者等による検討会議から提言が示され、12月にガイドラインが公表されるまでの間、本会議においても様々な議論が行われたところであります。  議論の中で、県教育委員会からは、市町村や関係団体等と情報交換や地域の実情に応じた意見交換を重ねており、今後、学校部活動の地域移行に関する方針を関係部局と連携しながら作成すると伺っております。  特に運動部活動の地域移行については、その受皿となる団体や指導者、さらには活動場所の確保などが大変重要であり、生徒の充実したスポーツ活動の継続のためには、教育関係の視点だけではなく、スポーツ振興の視点からの取組も必要だと思います。  そこで、知事に伺います。  今後、運動部活動の地域移行に伴う受入れ環境の整備について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 渡辺議員の御質問に順次お答えしてまいります。  地域の活性化について、何点かお尋ねがありました。  まず、コミュニティ再生・活性化の総括についてです。  県ではこれまで、地域の抱える課題について、市町村同士が議論できる場を設定するなど、地域のコミュニティー活動を支える市町村を後押ししてきました。  また、コロナ禍においても民間事業者と連携し、例えば、地域の高齢者が若者とインターネットで交流する機会を提供することで、生きがいや、やりがいを生む取組を実施してきました。さらに、大学生が県営団地に低廉な家賃で入居し、自治会活動に参加する取組や、団地で住民がコーラスに親しむ事業に、単位を得ながら参加する取組も実施しました。  こうした取組に参加した方からは、活動に参加してよかった、生きがいを感じることができたといった声を頂いており、地域コミュニティーの再生・活性化が着実に進みつつあると感じています。  一方で、こうした取組の成果をより多くの県民の皆様に実感していただくためには、このような取組を県内全域に浸透させるアプローチが必要だと考えています。そのためにも、これまでの取組を改めて整理した上で、その成果を他の地域で展開する方策などについて、市町村や民間事業者と連携しながら検討していきます。  県は、県民の皆様一人一人に、いのち輝き、笑いあふれる100歳時代を過ごしていただくため、今後も地域コミュニティーの再生・活性化を図るべきと考えています。  次に、今後の観光振興施策についてです。  初めに、「鎌倉殿の13人」の放映を契機としたプロモーション等の観光振興施策の評価についてです。  県では、全国旅行支援や様々なプロモーション等の観光振興施策を実施してきており、こうした取組もあって、観光産業は回復に向かっていると認識しています。  特に、「鎌倉殿の13人」の放映を契機とした取組により、ゆかりの地への誘客も進み、周遊観光が促進されたことに加え、例えば、梶原景時ゆかりの寒川町では、独自の歴史ツアーが開催されるなど、各地域の盛り上がりにもつながったと考えています。  次に、今後の観光振興についてです。  まず、コロナ禍を経て、観光地を選ぶ基準として、安心であることが求められているとの観光審議会等での意見を踏まえ、神奈川県観光振興条例を改正したいと考えています。  具体的には、観光客の安全に関する規定に安心の観点も明記し、市町村や観光事業者と連携した安全・安心に関する正確で分かりやすい情報発信等に取り組みます。  また、神奈川県観光振興計画を改定し、観光をめぐる環境の変化に対応した施策を推進します。具体的には、観光客の動向やニーズなどの観光データを分析し、その結果に基づく政策立案や戦略的なプロモーション等を行うほか、分析結果を地域と共有することで、地域の主体的な取組を後押しします。  県は今後とも、観光データに基づく観光振興施策を地域と連携して実施することで、地域経済を活性化させ、観光により地域が輝く神奈川につなげてまいります。  次に、社会経済状況の変化に対応しようとする中小企業への支援についてです。  中小企業が持続的に成長、発展していくためには、生産性を向上させて稼ぐ力を身につけ、社会経済状況の大きな変化に対応していくことが重要です。  そこで、県ではこれまで、コロナ禍や原油・原材料価格の高騰などの課題に中小企業が対応できるよう、ビジネスモデル転換への補助や制度融資による資金繰り支援、インボイス特別相談窓口の設置など、様々な支援策を講じてきました。  今後は、こうした支援を継続しつつ、賃上げや脱炭素への対応など、さらなる社会経済状況の変化に伴う支援策を展開したいと考えています。  具体的には、中小企業の脱炭素化に向けて、ワンストップ窓口を新設するとともに、制度融資を拡充し、環境と経営の両面から、最適な支援を実施します。  また、ビジネスモデル転換への補助では、コロナ禍や物価高騰を乗り越えようとする中小企業の取組に加え、賃上げや脱炭素化に向けた取組も支援していきます。  さらに、やむを得ず廃業を検討せざるを得ない事業者に対しては、従業員の継続雇用のための人件費や、専門家への相談費用を補助することにより、円滑な事業承継を後押しします。  このように、社会経済状況の変化に対応する中小企業の取組をしっかりと支援し、賃上げ、消費の拡大、そして、県経済の成長という好循環をつくり出していきたいと考えています。  次に、運動部活動の地域移行に伴う受入れ環境の整備についてです。  部活動は、責任感、チームワークの醸成など教育的意義が大きく、特に運動部活動は、体力の向上や運動習慣の形成等にも大きな影響を与える大変重要な活動です。こうした運動部活動の持つ意義を維持しつつ、地域移行を進めるためには、教員に代わる指導者と活動場所の確保が大きな課題であると考えています。  そこで、まず指導者については、日本スポーツ協会公認のスポーツ指導者等、教員に代わる新たな担い手となり得る人材の把握を進めます。あわせて、地域間で人材に偏りが生じた場合に備え、広域的に対応可能な指導者を登録する人材バンクを設立したいと考えています。  また、活動場所については、休日の公立スポーツ施設や学校施設、公民館などの社会教育施設、民間のスポーツ施設などの利用状況を把握し、適切な利用の仕組みづくりなどについて、関係機関と共に検討していきます。  今後、県としては、円滑な部活動の地域移行に向け、県教育委員会や関係団体などと緊密に連携し、主役である子供たちの貴重な活動機会が守られるよう、しっかりと取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔渡辺紀之議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 渡辺紀之君。  〔渡辺紀之議員登壇〕 ◆渡辺紀之議員 それでは、今の知事の答弁を受けまして、再質問を1点させていただきます。  私も高校時代は、こう見えてもテニス部におりまして、一生懸命汗をかいた記憶がございます。そのことを思うと、運動の重要性というのは十分実感をしているわけでございますが、この運動部活動の地域移行に伴う受入れ環境の整備でございますが、これまでの部活動というのは、学校教育の一環として行われていたので、保護者の金銭的な負担がある意味では最小限で済んでいたと私は承知しています。しかし、この地域移行が進んでいくと、その移行先として想定される地域スポーツクラブ等に当たると思いますが、それへの会費だとか指導料という費用負担が増えてしまうのではないかということも想像されるわけですけれども、この点について、どのようにお考えなのか、見解を伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  学校部活動の地域移行に当たっては、教員に代わる指導者への謝金や活動場所の使用料など、新たな費用が生じることが懸念をされています。県では、そうした費用負担により、子供たちの参加に影響が生じないよう、昨年から、必要な財政支援等について、県教育委員会等と連携して国に要望しています。  今後も地域の実情を十分に把握し、万全の措置が講じられるよう、引き続き国に働きかけてまいります。  答弁は以上です。  〔渡辺紀之議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 渡辺紀之君。  〔渡辺紀之議員登壇〕 ◆渡辺紀之議員 ありがとうございました。  それでは、2点要望させていただきます。  一つは、今後の観光振興施策でございますけれども、コロナ禍で人流が大分抑制されるなど、本県の観光が冷え込んでくる中で、まさしくこの大河ドラマの舞台が本県に、今の御答弁のとおり、様々な効果があるということも実感をいたしました。  私は、観光振興施策として、大河ドラマをはじめ、様々なロケ地だとか、ゆかりのところを歩くには、各市町でフィルムコミッションというのをやっているんですが、県全体でやることも、いいことではないかなと、また、この誘致活動も、県もやりながら市町村と連携して行っていただきたいなと私は思っております。  また、そういう観点も、御答弁もありました、今回改定を行う神奈川県観光振興計画に加えていただいて、着実に、時代に合わせた取組を進めていただくことを要望いたします。  そして、もう一つ、運動部活動の地域移行に伴う受入れ環境の整備についてであります。  学校部活動の地域移行が円滑に進むことは、将来にわたって生徒がスポーツ活動に継続して親しむことができる機会の確保になろうかと思います。また、そういう人たちからスターが出てくればありがたいなというのが、僕の夢というか希望でございますけれども、また、現教員の長時間労働などの負担が軽減して、働き方改革にもつながっていただければと思っております。  そのためには、学校と地域との連携・協働が不可欠でありまして、指導者の配置や活動場所の確保などの受入れ環境の整備には、このスポーツ行政の役割がとても重要になっていると考えます。  また、保護者の負担が、先ほどの再質問にもありましたけれども、負担が少しでも少なく、経済格差の中で活動を諦めてしまう生徒が出てこないような仕組みづくりをすることも大切であります。  今後、部活動の地域移行が充実したものとなるよう、関係機関等と一層の連携を図り、県としてしっかり取り組むとともに、必要な財政的な措置等についても、国に働きかけていただくことを強く要望いたします。  〔渡辺紀之議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 渡辺紀之君。  〔渡辺紀之議員登壇〕 ◆渡辺紀之議員 質問の第2は、県行政の新たな展開についてであります。  〔資料提示〕  初めに、適正な指定管理料のあり方等について伺います。  指定管理者制度というのは、多様化する住民ニーズに、より効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用して、住民サービスの向上と経費の節減等を図ることを目的にしております。  そこで、県は、平成17年度、2005年度から順次導入をして、その目的に見合う効果を上げてきたことは、一定の評価をしております。  しかしながら、昨今の指定管理者の公募に対する応募団体数を見ると、1から2団体と少なく、このままでは県施設の指定管理者の受け手がいなくなってしまうのではないかと懸念をしております。その要因として、指定管理料の在り方等にもあるのではないかと感じております。  バブル経済崩壊後の失われた30年の中で、国や自治体は緊縮財政を続け、我が国の経済は長らくこの縮小スパイラルに陥っておりました。加えて、昨今は、コロナ禍、円安、またウクライナ情勢に端を発し、資源・資材価格、光熱水費が急激に上昇するなど、我が国、また県行政を取り巻く経済環境は大きく変化をしております。  このような影響を受け、私の地元でありますけれども、伊勢原射撃場についても、経費の見直しとか、経営努力をされていると聞いております。また同時に、施設の老朽化も進み、修繕費がかさみ、このままでは運営に支障が出るおそれがあるとも言われております。  県の制度の運用上、物価変動のリスクは、指定管理者が負うのが原則であることは理解をしております。しかしながら、昨今の状況は、指定管理者側の節減努力を超える部分もあるのではないか。修繕等のリスク分担についても、指定管理者の持ち出しとなっていることがあるとも聞いております。  制度運用開始から18年が経過しようとしている中で、適正な指定管理料の在り方等について、小さくない不具合が生じてきているのではないでしょうか。  そこで、知事に伺います。  昨今のような急激な物価高騰等により、県から支払う指定管理料が不足した場合、指定管理者の健全な業務遂行に資するため、どのように対応していくのか、また、修繕等のリスク分担について、どのように考えているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、歯及び口腔の健康づくり推進条例の改正について伺います。  議員提案により制定された歯及び口腔の健康づくり推進条例の施行から、10年が経過をいたしました。  今回、施行の状況を踏まえた見直しを行う中で、大規模災害の発生や感染症の蔓延時にも歯科保健医療を提供できる対策を進めることや、口腔の健康が糖尿病など生活習慣病対策にも密接に関連することを明確にしました。  そこで、歯及び口腔の健康づくりをより一層進めていくため、条例の改正を行うことを検討していると伺っております。  また、フッ化物を用いた虫歯予防対策であるフッ化物洗口に関して、県民への理解が促進されるよう、周知を進めることを検討していくと承知をしております。  条例の基本理念にもあるとおり、歯及び口腔の健康づくりが、生活習慣病その他の健康の保持増進に重要な役割を果たすことをきちんと県民に伝え、認識し、実践してもらうことが必要であると考えます。  そのためには、実効性を持つ条例となるよう、県としてしっかりと施策に取り組む必要があります。  そこで、知事に伺います。  今回どのような改正を行い、また、この改正を踏まえて、県として、今後どのように歯及び口腔の健康づくりを進めていくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、「さがみロボット産業特区」第3期について伺います。  さがみロボット産業特区は、現行の第2期計画が令和4年度で終了することから、現在、国に第3期に向けた継続の申請をしているところと承知しております。  〔資料提示〕  特区の取組を始めた10年前の当時から、ロボット産業は、伸び代の大きい成長産業と言われております。そして、今、コロナ禍への対応や、DXを進めていくツールとして、ロボットの持つ価値が再認識され、さらに、IoTなどとの融合により、ロボットの概念や新たな用途が広がりつつあります。  現在、産業構造が転換する中、県内ものづくり中小企業は7,000社を超え、約35万人の雇用を支えており、ものづくり企業への支援は、県としても必須であると考えます。  そのような中、特区内の市町では、県と連携して、中小企業のロボット産業への参入促進に取り組みたい、優れた技術を持つ中小企業とロボット開発企業を結びつけたいといった声が上がっていると承知をしております。  また、かながわグランドデザインに掲げるロボットと共生する社会が実現できているかというと、正直、ファミリーレストランでの配膳とか農作業での利用など、一部の報道には接することができますが、広く社会に当たり前のように活躍するまでには至っておりません。  今後、ロボットの実装がさらに進み、開発や販売に関わる県内企業が潤い、我々の日常生活が共に豊かになることを期待しているところであります。  第3期では、これまでの2期10年間で積み上げてきた成果に加えて、県内中小企業の成長促進につなげる取組に重点を置き、ロボット先進県を自負する本県として、ロボットの社会実装の加速化が必要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  令和5年度から始まる、さがみロボット産業特区の第3期をどのように進めていこうと考えていられるか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、水道管路の着実な更新について伺います。  近年、高度経済成長期に急増した水需要に対応するため、大量に整備された管路が順次更新時期を迎えており、本県のみならず、全国の水道事業の抱える共通課題となっております。  これまでも年間の管路更新率を段階的に引き上げてきたところでありますが、今後40年間に、全管路延長約9,400キロメートルのうち、半分以上である約5,100キロメートルの管路が更新時期を迎えるため、さらなる取組が必要と考えます。  そこで、企業庁では、管路更新のスピードアップを図るための一つの手法として、今年度、民間事業者のノウハウを設計段階から活用する設計・施工一括発注─デザインビルド方式、いわゆるDB方式の試行にも着手をいたしました。  今回初めてとなるDB方式の発注においては、確実な履行を確保するため、代表企業の参加要件にDB方式の施工実績を求めており、現実問題として、地元事業者が代表企業として参入することはできません。  今後、同様の方法によるDB方式の発注が拡大されれば、これまで地域の管路更新を担ってきた地元業者の受注機会が県外の大手企業に奪われてしまうだけでなく、地元事業者の技術力向上の機会も失われていくのではないかと懸念をしております。  DB方式の試行結果を検証する中で、地元事業者が主体となって受皿となるよう、意見を伺いながら工夫を凝らしていくことが必要であると私は考えます。  大規模災害の際、いち早く被災現場へ駆けつけていただくのは地元業者であります。県民のライフラインを守るパートナーとして、しっかりした技術力のある地元事業者の存在は不可欠であり、その育成も急務であります。また、既に管路工事を担う技術者の確保も難しくなってきている状況です。  こうしたことを踏まえて、増大する管路更新需要に着実に対応していくためには、官と民が連携して最新の技術を学ぶ場を設けるなど、技術力の向上や効率化を図るための新たな取組も必要となるのではないかと考えます。  そこで、企業庁長に伺います。  発注者、受注者ともに限られた技術者のマンパワーの中で、今後、水道管路の着実な更新に向け、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、県警察における組織体制の強化について伺います。  本県の治安情勢を見ますと、ここ数年来、刑法犯認知件数は、中長期的には減少傾向で推移をしているものの、高齢者を狙った特殊詐欺は、認知件数、被害額ともに増加をしており、また、女性や子供が被害に遭いやすいストーカー事案、そして、児童虐待事案は依然として後を絶ちません。  また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機とした新しい生活様式により、テレワークやオンライン会議など多様な働き方が定着し、デジタル技術の活用が加速しております。  このように、先端技術の急速な発展に伴い、日常生活の利便性が向上する一方で、これらの技術を悪用した犯罪の発生が懸念されるところであり、今後、科学技術を活用した警察力の高度化、合理化は必須であると考えております。  〔資料提示〕  さらに、昨年の7月、安倍元内閣総理大臣が街頭演説中に銃撃をされ、命を絶たれてしまったことは、日本中に大きな衝撃と不安を与えました。この事件は、警察の警護体制が取られる中起きた許し難い行為でありましたが、その後の警察庁による検証結果を基に、警護の在り方も見直されたものと伺っております。  このような事案は、国の治安のみならず、民主主義の根幹にも関わる重大なことですので、今後もより一層、警護する側とされる側とが手を携えて再発防止に努め、県民の負託に応えていかなければならないと考えております。  そこで、警察本部長に伺います。  現下の社会情勢の変化を踏まえ、県警察の組織体制の強化に向けた取組について見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県行政の新たな展開について、何点かお尋ねがありました。  まず、適正な指定管理料のあり方等についてです。  県では、指定管理者が適切に業務を遂行できるよう、過去の実績や直近の物価状況を踏まえて指定管理料を積算しています。このため、指定期間中の物価変動のリスクは、指定管理者負担を原則としていますが、長期の指定期間中には、災害等、事前に想定できない例外的な事情が生じる場合もあります。  こうした場合、県はこれまでも、指定管理者と協議して対応してきました。例えば、東日本大震災の際には、施設の破損等、災害の影響額を確定した上で、費用を負担しました。  また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、施設を閉館した際には、指定管理者の意向や経営状況を確認しながら、年度の途中においても減収となった分を負担しました。  昨今の急激な物価高騰については、施設の適切な維持管理に影響が生じないよう、個別に協議の上、必要な対策を講じたいと考えています。  また、修繕等のリスク分担については、施設の老朽化の状況等に応じて個別に定めています。  議員御指摘の伊勢原射撃場では、施設の老朽化により修繕の回数が増加したため、令和5年4月からの新たな指定期間の開始に合わせて、原則として指定管理者負担としている修繕費等について見直しを行い、協議の上、負担を決定することとしました。  他の施設についても、定期的なモニタリングの機会等を活用して、施設の状況等に応じたリスク分担が適切なものとなっているか、確認していきたいと考えています。  今後も、指定管理者とコミュニケーションを取りながら、制度の目的、効果を最大限に発揮できるよう、適切な制度運営にしっかりと取り組んでまいります。  次に、歯及び口腔の健康づくりの推進条例の改正についてです。  オーラルフレイルが進むと身体機能の低下につながるほか、歯周病と全身の疾患との関連性も指摘されることから、歯及び口腔の健康づくりは重要な取組です。  まず、条例改正の主な内容についてです。  今回の条例改正では、歯及び口腔の健康づくりが、全身の健康に果たす役割を普及啓発することや、災害発生時にも、歯及び口腔の健康づくりを推進していくことを明記します。  また、虫歯予防対策として有効なフッ化物洗口等の普及に向けて、実施主体となる市町村等の支援に努めることも規定します。  次に、今後の歯及び口腔の健康づくりの推進についてです。  まず、今回の条例改正の大きな柱であるフッ化物洗口については、来年度から、学校や家庭への普及啓発に取り組むとともに、市町村への支援についても関係団体の御意見を伺いながら検討していきます。  また、その他の改正内容についても、来年度改定する実行計画の中で、具体的な施策を位置づけたいと考えています。  こうしたことにより、県民の皆様の歯及び口腔の健康づくりを着実に進めてまいります。  次に、「さがみロボット産業特区」第3期についてです。  県では、これまでの2期10年間の取組の中で、特区発ロボットの実用化と普及を図るとともに、中小企業のロボット産業への参入を促進し、成果を上げてきました。  例えば、特区発ロボットの第1号であるパワーアシストハンドは、ロボット開発の経験がない複数の中小企業が互いの技術を持ち寄り、県のコーディネートにより、商品化を実現したものです。  こうした成果がある一方で、県内には、優れた技術を持ちながらも、ロボット産業に進出していない中小企業はまだ多く存在しています。また、産業構造が大きく転換する中、新分野への進出を模索する中小企業も増えています。  そのため、今後は、こうした中小企業の技術をロボットの開発や実用化にしっかりと結びつけていくことが重要と考えています。  そこで、特区第3期は、特区の市町と連携し、中小企業目線で地域のロボット産業を一層活性化させる取組を重点的に進めてまいります。  まず、これまでの中小企業同士の共同開発への支援に加え、新たな試みとして、ロボット開発に取り組む企業を全国から募集し、優れた技術を持つ中小企業とマッチングさせ、共同開発につなげることで、中小企業のロボット産業への参入を促進させていきます。  また、ロボット実装促進センターを新設し、病院や商業施設をはじめ、県民の皆様が日頃利用する様々な施設がロボットを導入する際、ワンストップで支援することにします。こうして、ロボットの社会実装を加速させるとともに、さらなる市場の拡大を図ります。  このような取組により、地域の企業や市町と共にロボット産業の振興を図り、特区を一層活性化させることで、ロボット共生社会の実現を目指してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔企業庁長(髙澤幸夫)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 髙澤企業庁長。 ◎企業庁長(髙澤幸夫) 企業庁関係の御質問にお答えします。  水道管路の着実な更新についてお尋ねがありました。  水道は県民生活や経済活動を支える重要なライフラインであり、将来にわたって安定給水を持続するには、管路の更新や耐震化を着実に進めることが大切です。  県はこれまで、工事量の増大に対応するため、概算で工事を発注し、施工後に精算する概算数量設計発注方式を導入するなど、効率化に努めてきました。しかし、今後、高度成長期に整備した大量の管路の更新時期を迎える中で、大規模地震の被害を最小限に抑えるためには、基幹管路の更新を現在の2倍程度のペースとする必要があることから、県、事業者ともに、さらなる業務の効率化や技術力の向上が求められます。  そこで、県は昨年12月から、設計・施工一括発注方式─DB方式を試行的に導入しました。設計と施工を一体化することで、設計段階から施工業者の意見、ノウハウを反映でき、工事での不具合や手戻りが大きく減るものと期待しています。  今後は試行結果をしっかりと検証し、効果が得られやすい工事の選定や、地元事業者が参画しやすい仕組みへの改善等を図っていきます。  また、デジタルトランスフォーメーション─DXを積極的に推進し、遠隔地から現場を確認、指示するためのウェアラブルカメラやドローンの導入など、県と事業者が現場に合った先進技術を互いに研究、提案し、実践することで、技術力の向上にも努めます。  このように、県と地元事業者等の連携の下、管路更新を着実に進めることで、安全・安心な水道を維持し、県民の皆様の命を支えてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(林  学)発言の許可を求む〕
    ○議長(しきだ博昭) 林警察本部長。 ◎警察本部長(林学) 県警察における組織体制の強化についてお答えいたします。  初めに、治安情勢と組織課題についてです。  昨年は、刑法犯認知件数が9年ぶりに増加に転じましたが、中でも、特殊詐欺被害は著しく増加し、県民生活にとって大きな脅威となっています。  また、サイバー空間は、今や社会経済活動の基盤となっていますが、サイバー犯罪やサイバー攻撃による脅威は深刻な情勢が続いています。  他方、人口減少と少子高齢化が進行する中、県警察においても、将来にわたるマンパワーの維持、向上が課題となっています。  県警察が限られた体制の下で、こうした社会の変容に適応し、様々な脅威に的確に対応していくためには、先端技術を活用するなど、警察活動の高度化、合理化を図ることが不可欠となっております。  このほかにも、昨年の安倍元内閣総理大臣に対する銃撃事件を踏まえ、県警察としましても、警護の抜本的な強化を進めていく必要があります。  このような中、県警察では、来年度に向けて大きく二つの点で組織体制を強化することといたしました。  1点目は、警察本部警務課内に未来創造班を新設いたします。この班では、県警察の将来を見据えて、警察活動の高度化、合理化に資する先端技術の導入を進めるとともに、行政手続のオンライン化などにより、県民の利便性の向上を図ってまいります。  2点目は、警察本部公安第二課の警衛係と警護係を統合し、警衛警護室を新設いたします。警衛警護室では、警衛・警護の万全を期すため、各警察署との連携を強化し、警衛・警護の高度化、訓練の充実などを進めてまいります。  県警察では、今後も引き続き、治安情勢の変化に的確に対応し、県民の安全・安心の確保に向けて力強い警察活動を展開してまいります。  以上でございます。  〔渡辺紀之議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 渡辺紀之君。  〔渡辺紀之議員登壇〕 ◆渡辺紀之議員 御答弁ありがとうございました。  それでは、2点、再質問させていただきます。  まずは、「さがみロボット産業特区」第3期についてでございます。  これも10年2期、行われていて、今の御答弁を頂いた中で、知事のお考えも承知したところでございますが、その新しい分野にも中小企業が来たいという気持ちの中で、一番我々が聞く中でネックというか、一つの検討課題になっているのは、特区のもともとの強みである規制緩和っていうものの活用が進んでいないのではないかというのをよく耳にするんですね。  この規制緩和とはいろいろと電波法だとか、様々な法律が絡んでいて、あるんですが、特にその中で一番言われるのは農地法ですね。特区内の特に県央地区でございますけれども、ここで第8回の線引きの見直しも進める中で、非常に市街化調整区域が多い地区でございます。その中で企業が入り込むには、やっぱり特区の活用なくして、なかなか難しいわけであります。  そこで、県内から優れたロボット開発企業をいろいろと誘致するのは大事なことなんですが、誘致すべきだと私も思うんですけれども、そういう規制緩和も含めた活用で、どういうふうにお考えかというのを改めて伺います。  そしてまた、水道管路の着実な更新についてでございますが、今、御答弁を頂きましたが、今回試行されるDB方式については、施工事業者の意見を設計に反映するというメリットがあるという御答弁も頂いたんですが、これは設計・施工一括となると、設計が中心になってくると、一方で、地元の施工業者への過度な負担がかかりはしないかというのを、私は懸念をしているところでもあります。  そういう意味で、企業庁は発注者でございますので、そうした点を十分に検証しながら進める必要があると私は思っております。  そこで、企業庁は具体的に、どのように検証していくのか、改めてお伺いいたします。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  これまでロボット関連企業の誘致と集積に向けて、産業用地を生み出すための農地転用手続の簡素化でありますとか、実証実験の支障となる電波法や道路交通法など様々な規制緩和を、私自ら先頭に立って実現させてきました。  特区の第3期におきましても、企業誘致に取り組む市町やロボット開発企業から規制緩和について相談があった場合は、関係省庁などと丁寧に調整することで、新たな規制緩和の獲得に努めてまいります。  また、高度な技術を持つ中小企業の集積などの特区の優れたビジネス環境を県外にアピールすることで、ロボット開発企業の誘致に取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔企業庁長(髙澤幸夫)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 髙澤企業庁長。 ◎企業庁長(髙澤幸夫) 企業庁関係の再質問にお答えします。  DB方式の具体的な検証については、全工程を通じて適時、共同企業体の各事業者にヒアリングを行い、工事を担う地元施工事業者の意見が設計に適切に反映され、DB方式のメリットが十分発揮されているか、また、各事業者の役割分担に基づき、一部の事業者に負担が偏ることなく履行されているかなどを確認してまいります。  以上でございます。  〔渡辺紀之議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 渡辺紀之君。  〔渡辺紀之議員登壇〕 ◆渡辺紀之議員 御答弁ありがとうございました。  それでは、3点、要望させていただきます。  今のさがみロボット産業特区でございますが、もし知事が先頭に立ってやっていただけるというのであれば、今、産業労働局にロボット特区の担当があるわけですけれども、やっぱり横断的になってきますので、ぜひ政策局もしくは総務の関係の部局も共に力を注いでいただければありがたいと思っております。  また、歯及び口腔の健康づくり推進条例の改正についてでございますが、フッ化物洗口に関しては、私も先日、勉強会において、歯医者さんの先生から御指導いただいたところでもあります。まさしく教育現場での協力が不可欠であり、早期の対応が必要と実感をいたしました。計画の策定を進めていく上で、市町村の教育委員会との連携が図れることを要望いたします。  そしてまた、水道管路の着実な更新でありますけれども、試行的に導入されるこのDB方式については、地元業者も非常に注視をしております。受注者や業界団体の声をしっかりと受け止めて、その効果や課題を検証していただいて、県民の命を支える水道管路の更新を着実に進めていただくことを要望いたします。  そしてまた、県警察における組織体制の強化についてであります。  県警察の業務の合理化、高度化を推進する未来創造班と、警護の万全を図るための警衛警護室が新設されるということで、より力強い警察活動が展開されることを私も期待をしているところであります。  また、警護体制が見直されたことに伴い、私たち政治活動を行う側も、今後一層、県警察との連携を強固にしながら、安全を点検しつつ、共に県民の期待と信頼に応えてまいりたいと思っております。  〔渡辺紀之議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 渡辺紀之君。  〔渡辺紀之議員登壇〕 ◆渡辺紀之議員 質問の第3は、県政の諸課題についてであります。  〔資料提示〕  初めに、幹線道路と身近に使われている県道の整備について伺います。  近年、県内の幹線道路ネットワークの整備は、圏央道や新東名の一部区間、横浜北線や北西線といった自動車専用道路の開通も相次ぎ、これにアクセスする道路の整備なども着実に進められてきました。  これにより、移動性の向上や交通渋滞の緩和が図られ、圏央道や新東名などの沿線では多くの企業が進出し、新たなまちづくりも進められるなど、様々な効果が現れております。  しかし、依然として慢性的な交通渋滞が発生し、社会経済活動の妨げとなっているところがあり、幹線道路の整備は、まだまだ十分とは言えず、引き続き着実に進めていかなければなりません。  一方、県民が生活されて、通勤や通学、買物などに日々利用している道路に目を向けますと、歩道の幅が狭い箇所や、段差などがあって、地域からは歩きにくいなどといった声も聞こえてまいります。  こうした私たちに身近に使われている県道をよりよくしていく取組は、幹線道路の整備と同様に重要な取組であり、歩道の拡幅などの改良も進め、外出しやすく移動しやすい道路環境の整備にも取り組んでいかなければなりません。  また、現在、事業中の路線の中には、用地取得が難航し、進捗しないケースもあると聞いております。用地取得というのは地権者の理解を得ながら進める必要があり、想定どおりに進めることが難しいことは理解するものの、計画どおりに供用が開始されるよう努力と工夫が求められます。  幹線道路の整備は、経済的にも効果を発揮し、災害時における救命や復旧活動にも大きな役割を果たします。また同時に、この地域にお住まいの方々が日常的に使っている県道についても目を配り、また、より利用しやすくしていくことは大変重要であります。  そして、先ほども申し上げたとおり、用地取得にも力を入れながら、こうした道路の整備を着実に進めていく必要があります。  そこで、知事に伺います。  幹線道路と身近に使われている県道の整備について、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、河川事業の推進について伺います。  近年、全国各地で毎年のように大規模な豪雨災害が発生しております。昨年も、8月上旬の北海道、東北、北陸、近畿地方の日本海側を中心とした記録的な大雨により、堤防の決壊や越水などによる氾濫が発生し、甚大な浸水被害をもたらしました。  本県においても、令和元年東日本台風では、箱根町での1日当たりの降水量が観測史上最多を記録するなど、県西部を中心に河川などで大きな被害を受けるとともに、令和3年7月の大雨では、平塚市において、避難情報としては最高レベルとなる緊急安全確保が全国で初めて発令をされました。  〔資料提示〕  災害が激甚化、頻発化する中、豪雨災害から住民の生命、財産を守り、地域住民の方々の不安を解消するためには、県土の強靱化を進め、被害を最小限にする取組が重要であり、特に河川事業の推進は、待ったなしの状況であると認識をしております。  県は令和2年2月に神奈川県水防災戦略を策定し、水害への対応力強化のための対策を進めていることは承知していますが、先ほどの全国各地で発生している豪雨災害を目の当たりにしますと、県内の市町村からは、さらなる河川事業の推進を切望する声が届いております。  災害発生時の被害軽減に向けては、河川の護岸や遊水地等の早期整備が求められており、このような県民の安全・安心に直結する河川事業の取組こそ、しっかり目を配り、着実に推進していくことが大変重要であります。  そこで、知事に伺います。  河川事業の推進について、県は、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、地震被害想定の見直しと新たな地震防災戦略の策定について伺います。  今、トルコでは大地震に伴う未曽有の災害に直面をしております。まずは、お亡くなりになられた方たちに心より哀悼の意を表すとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。  このように、いつ起きるか分からない地震災害に対し、いかにして県民の生命を守るか、まさにこの喫緊の課題に対し、本県はどのように挑もうとしているのか、その姿勢をただしてまいりたいと思います。  県は、平成26年度に取りまとめた地震被害想定に基づき、地震防災戦略を定めております。風水害に関しては、去る12月議会で、我が会派から水防災戦略の改定の考え方を確認したところであり、それを踏まえ、令和5年度の計画額は722億円とされており、着実な推進を期待するところであります。  昨年6月の本会議では、我が会派の質問に対して、策定から10年が経過する地震被害想定の見直しと、地震防災戦略の在り方を検討する方向性について答弁がありました。そして今般、令和5年度の予算案に、地震被害想定の見直しに係る地震防災戦略策定費が計上されております。  地震被害想定の見直しと次期地震防災戦略については、今後の本県の地震災害対策の根幹に関わるものであり、効果の検証や様々な立場の関係機関からの意見を踏まえ、多様な観点からの検討が必要だと考えております。  例えば、デジタル技術が進展し、多くの県民がスマートフォンでの通話や災害情報を得ることが当たり前になってきている中で、通信環境が途絶えたらどうなるのか。またさらに、災害が激甚化、多様化する中で、市町村による避難誘導体制についての検証も必要と考えております。  〔資料提示〕  特に、市町村で設置している避難誘導看板が統一化されておらず、分かりにくいという声が上がっております。  また、地震被害想定は、県の対策のベースになるものですが、自治体の観点からまとめられており、県民にとっては、分かりにくい面があることは否めません。  地震防災対策は、県の地震災害対策推進条例の理念でも示すように、自助、共助、公助の連携が何よりも大切であり、県民の自助と共助の促進、適切な防災行動を促す観点も含め、地震被害想定の見直しや次期地震防災戦略の立案を行うことが大切だと考えております。  そこで、知事に伺います。  切迫性が懸念されている大規模地震への備えとして、実効性の高い地震被害想定と地震防災戦略により、自治体や県民の対策強化につなげることが重要だと考えますが、来年度着手する地震被害想定調査に、県はどのような考え方で、また、どのように取り組むのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  最後に、埋蔵文化財の活用について伺います。  近年、県内では、茅ケ崎市から相模原市に至るさがみ縦貫道路や新東名高速道路、厚木秦野道路など、広域幹線道路の建設が行われており、それに伴う大規模な発掘調査において発見された遺跡や埋蔵文化財の一部が地元の方々に紹介をされています。  本県では、3万年前の旧石器時代から縄文時代、そして、古代、中世と人々の生活の営みが連綿と続いてきたことが数多くの発掘調査によって判明をしております。そのあかしである遺跡や土器、石器などの埋蔵文化財も県内各地で発見をされております。  埋蔵文化財は、私たちのルーツを知る上で大変貴重な郷土の文化財であり、そうした意味においては、県民共有の大切な財産だと思っております。  〔資料提示〕  現在、県では、神奈川県埋蔵文化財センターを中心に、埋蔵文化財の保存活用の取組を進めていることは承知をしておりますが、新たに発掘されたものも含め、県において蓄積してきた埋蔵文化財を、研究、学習、発表を通じ、より多くの県民の方々の目に触れ、親しむことができる機会を設けてもらいたいと私は考えております。  そこで、教育長に伺います。  県内で発掘された埋蔵文化財について、県民共有の財産として、より一層の活用を進めてもらいたいと考えますが、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県政の諸課題について、何点かお尋ねがありました。  まず、幹線道路と身近に使われている県道の整備についてです。  初めに、幹線道路についてですが、県はこれまで、自動車専用道路のインターチェンジに接続する道路や、はこね金太郎ラインなど、地域間の交流を促進する道路の整備に取り組んできました。  しかし、コロナ禍で落ち込んだ観光需要の喚起など、地域経済の回復に向け、新たな人や物の流れを創出するため、幹線道路のさらなる整備が不可欠です。  そこで、城ヶ島・三崎の観光の核づくりを支える西海岸線や、県央・湘南都市圏の東西軸となるツインシティ橋など、観光振興や地域の交流を促進する道路整備を進めます。  次に、身近に使われている県道については、子供の安全を確保するため、通学路等に重点を置き、歩道拡幅などを進めてきました。  しかし、通学路以外でも依然として歩道が狭い箇所などが残されており、こうした箇所の解消は喫緊の課題です。そこで、改めて、地域の声を丁寧にお聞きすることで、利用者目線に立って初めて気づく、歩きにくい、つまずきやすいといった箇所を洗い出し、早急に改善を図ります。  さらに、こうした幹線道路や身近な県道の整備に当たっては、円滑な用地取得が事業を進める鍵であるため、今年度から開始した用地交渉業務の民間委託を拡大し、一層の進捗を図っていきます。  県は、幹線道路と、県民生活に直結する身近な県道の整備を積極的に進め、地域の活性化と、県民の皆様の安全・安心の確保に取り組んでまいります。  次に、河川事業の推進についてです。  一たび河川が氾濫すれば、その影響は極めて大きいことから、県民の皆様の命と財産を守るため、河川事業を推進することは大変重要です。  これまで県は、過去に水害が発生した河川や、都市化が著しい地域を流れる河川について、重点的に護岸整備を進めるとともに、令和2年に水防災戦略を策定し、河川事業の強化を図ってきました。  一方、豪雨災害に備えるためには、取組の手を緩めることなく、用地取得や護岸工事等を継続的に進め、住民の皆様の理解と協力を得ながら、河川施設を早期に整備していくことが必要です。  そこで、県は、河川事業のより一層の推進に向け、二つの観点で取組を進めていきます。  一つ目は、事業効果を少しでも早く発揮させるための取組です。  川沿いの市町からの期待も大きい、遊水地等の整備には、長い時間を要することもあり、引き続き、次期水防災戦略に位置づけ、完成時期の前倒しを図るとともに、完成前でも部分的に水をためられるように工夫することで、氾濫の危険性を軽減させます。  二つ目は、地域の皆様に事業への理解と協力を頂くための事業の見える化の取組です。  具体には、河川改修を進めている現地や、多くの人が訪れる庁舎のロビーなどで、過去の氾濫時の状況や事業の完成イメージなどを動画などで紹介し、事業の必要性や進捗状況を分かりやすく広報します。  県はこうした取組を通じて、県民の命と財産に直結する河川事業を積極的に推進し、県民の皆様の安全・安心を確保してまいります。  最後に、地震被害想定の見直しと新たな地震防災戦略の策定についてです。  地震防災戦略が令和6年度で最終年となるため、県は新年度当初予算案に、戦略のベースとなる地震被害想定見直しのための調査の予算を計上しました。  調査に当たっては、まずは、地震防災をめぐる環境の変化を踏まえることが重要です。現行戦略のスタート以降で、住宅の耐震化率が5%向上するなど、建物やライフラインの強靱化が進展し、スマートフォンの普及も約9割に達しています。  さらに、ビッグレスキューの定着により、防災関係機関の連携が強化される一方で、地域防災の担い手不足、防災意識の低下等の課題も顕在化しており、こうした状況を被害想定の検討に反映させます。  また、調査結果を県民の皆様一人一人の対策強化につなげる視点も重要です。そのため、時間の経過で変化する被害の状況と対応策を提示する、いわゆるシナリオ型被害想定を県民目線で充実させます。  具体的には、停電でトイレが使えない、通信障害で携帯やスマートフォンが使えないといった、県民の皆様が災害時に直面する場面と取るべき行動を具体的にお示しできるようにします。  また、調査は、有識者や市町村による調査委員会を中心に、女性や要配慮者等、様々な立場の皆様の意見をお聞きしながら進めていきます。  県は、来年度から2か年にわたる地震被害想定の見直しを基に、令和6年度に新たな地震防災戦略を策定し、災害に強い神奈川の実現を目指してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係の御質問にお答えします。  埋蔵文化財の活用についてお尋ねがありました。  県内で発掘された埋蔵文化財は、いにしえの神奈川における人々の生活や文化などを物語る貴重なあかしであり、その保存と活用は大変重要です。そのため、県埋蔵文化財センターでは、発掘調査による出土品などを適切に管理、保存するとともに、これらを活用して郷土の歴史や文化への探求心を醸成する取組を行っています。  具体的には、テーマに沿った出土資料を展示し、それらを間近に見ていただく、かながわの遺跡展を県内を巡回する形で毎年開催しています。  また、学校や市民サークル団体等に出向いて、出土品に直接触れながら学んでいただく考古学ワークショップなど、様々な学習機会を提供しています。  この間のコロナ禍で展示会が実施できなかった際には、その内容を動画にして、ユーチューブで配信する工夫も図りました。  こうした経験も踏まえ、県民の皆様が時間や場所にとらわれず、埋蔵文化財に親しんでいただけるよう、発掘調査の成果や出土品の画像などをオンラインで見られるデジタルアーカイブシステムの構築を進めています。  県教育委員会としては、こうした取組を通じて、埋蔵文化財が県民の皆様の共有の財産として身近なものになるよう、引き続き、より一層の活用を進めてまいります。  答弁は以上です。  〔渡辺紀之議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 渡辺紀之君。  〔渡辺紀之議員登壇〕 ◆渡辺紀之議員 御答弁ありがとうございました。  それでは、私から再質問を2点させていただきます。  まず、河川事業の推進でございますが、今、知事から2点、遊水地の関係、そしてまた見える化の関係も御答弁いただいたわけですけれども、私は、そちらの護岸や遊水地の整備も大変重要だと思っておりますが、私の思うところは、河川内に堆積した土砂の撤去だとか、樹木の伐採だとか、日頃から、しゅんせつだとか河床整備だとか、時にはかさ上げも必要ですけれども、そういうことが、堤防の決壊だとか、越水等による氾濫の防止につながり、浸水被害を減少させる一助になることは、私は間違いないと思っております。  そういう意味で、大きいことも大事なんですが、日常の維持管理についても、しっかりと取り組むべきだと考えております。  そこで、河川の維持管理について、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、地震被害想定の見直しと新たな地震防災戦略の策定でございます。  災害時に、県民の皆様に迅速に避難していただくためには、避難場所が一目で、どこにあるか分かる避難誘導看板が私は重要と考えております。私は、県民が避難する際に、先ほど市町村で設置している避難誘導看板がばらばらというか、統一されていません。ですので、非常に分かりにくいという声も聞いております。ぜひ、この避難誘導看板の設置による、この避難誘導体制の充実について、被害想定の中でしっかりと検討する必要があると考えますけれども、その辺り、どのように取り組むのか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  水害の未然防止を図る上で、堆積土砂の撤去や樹木の伐採といった河川の維持管理、これは大変重要な取組であります。県では、令和元年東日本台風以降、毎年予算を増額し、堆積土砂の撤去等を重点的に進めてまいりました。  今後も、河川の維持管理については、次期水防災戦略に位置づけ、充実強化を図ることとしておりまして、市町村の要望も伺いながら、維持管理に万全を期すことで、地域の安全・安心を確保してまいります。  続いては、避難誘導看板の御質問でありますけれども、地震発生時に、県民の皆様に混乱することなく適切に避難行動を取っていただくことは、重要な課題の一つであります。  そこで、シナリオ型被害想定の一環で、例えば、地震直後の混乱する中、かつ不慣れな場所で、県民の皆様が避難場所を探す場面などを設定した上で、要配慮者や子供、外国人など様々な立場、県民目線から、避難誘導看板を含む避難誘導体制の在り方を検討したい、そのように考えております。  答弁は以上です。  〔渡辺紀之議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 渡辺紀之君。  〔渡辺紀之議員登壇〕 ◆渡辺紀之議員 それぞれ前向きな御答弁ありがとうございました。  それでは、何点か要望させていただきます。  河川事業の推進でございますけれども、私も全部を見てきたわけじゃないんですが、神奈川県とほかの県を見ると、河川の整備状況が、決して神奈川県は潤沢に手が入っているように思えないところも、現在時点はあります。ですので、県民の命を守るためには、今の知事の御答弁のとおり、少し目をかけていただいて、整備に努めていただきたいと思っている次第でございます。  それが、県民の命と財産を守る大事な事業であると私は思っておりますので、適切かつ迅速な対応を望みます。  次に、地震被害想定の見直しと新たな地震防災戦略の策定でございます。  今回の地震被害想定の見直しについては、本県の災害対策の根幹に関わりますので、効果の検証や、関係機関及び市町村からの意見を踏まえ、多様な観点からの検討を要望いたします。  そしてまた、デジタル技術が進展する中、通信環境の整備も必要ですので、ぜひよろしくお願いします。  そしてまた、統一看板についてですが、今のシナリオ型のお話も頂きましたが、私は、365日24時間、避難訓練だと思っております。そうすると、散歩したりして、あそこに統一看板があって、ここから何メーター先が避難場所なんだなと分かっていると、いざのときに、気が動転していても、ぱっと行けるんじゃないかと、そして大事な命が守れるというのは、大変大事なことじゃないかなと思っておりますので、そういうデジタル的なことも必要なんだけれども、ハード型の看板もぜひ検討いただくことが大事なことだと思っておりますので、よろしく御検討のほどお願いします。  埋蔵文化財でございますが、これは、我々が知らない時代の生活を学べる大切な遺産でございます。地域の歴史を知らずして、日本、世界の歴史を語るべからずと私は思っております。  また、生涯学習の観点からも、この広域自治体として、県の役割は大きいと思っております。ぜひ、私の提案としては、この神奈川県の埋蔵文化財センターの状況を見ますと、縮小じゃございませんが、地元で掘ったものをちゃんと見せる場面が必要だと思っていますので、地元で出土したものを、例えば伊勢原大山インターチェンジの周辺において、教育施設を活用した展示施設を造るとか、こういうこともぜひ提案をさせていただきたいなと思っておりますので、教育長、よろしくお願い申し上げます。  以上で、私の代表質問を終了いたします。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(しきだ博昭) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時26分 休憩       ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和5年第1回-20230220-029375-質問・答弁-小林大介議員-代表質問①県政の重要課題について②県民生活に直結する課題について③黒岩県政3期目4年間の総括について》                   午後2時45分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共82名 ○副議長(曽我部久美子) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(曽我部久美子) 質問を続行いたします。  小林大介さん。  〔小林大介議員登壇〕(拍手) ◆小林大介議員 議長のお許しを頂きましたので、私は、立憲民主党・民権クラブ神奈川県議会議員団を代表し、通告に従い、質問をいたします。  知事並びに教育長、警察本部長におかれましては、明快な御答弁をお願いいたします。また、先輩議員、同僚議員の皆様方におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いをいたします。  〔資料提示〕  質問の第1は、県政の重要課題について、3点伺います。  初めに、行政改革のさらなる推進についてです。  本県では、平成27年に第1期の行政改革大綱を策定し、それまでの職員数や組織数などの量的削減を中心とした改革から、行政組織の総合力を高める質的向上に着目した改革へと転換を図り、令和元年に策定した現行の第2期行政改革大綱においても、その理念は継承されているものと承知をしています。  現行の大綱では、職員・組織・仕事の質的向上を図るため、働き方改革、組織・人事改革、財政改革、ICT利活用改革、情報発信改革の五つの分野を掲げ、総合的かつ効果的な行政改革に取り組んできたものと認識をしております。  しかしながら、今後を見通すと、本格的な人口減少や急激な高齢化の進展に伴い、行政コストが増大し、税財源や人的資源といった自治体の経営資源が縮小するなど、本県を取り巻く環境は、さらに厳しさを増すことが懸念をされております。  今年度は、現行の大綱における取組期間の最終年度であり、これまでの4年間の取組状況について、総合的な点検が実施されています。  昨年12月に示された点検報告書の素案を見ると、一定の成果が得られた一方で、新型コロナなどの影響により、当初の計画どおりには進まなかった取組もあることがうかがえます。  とりわけ、働き方改革の分野では、依然として時間外勤務が高い水準で推移しているなど、その取組は、いまだ途上にあると言えます。  また、点検報告書にも記載があるとおり、今後は、ウィズコロナを見据えた対応や、行政内部のDXの推進など、新たな課題に取り組むことも必要です。  そこで、知事に伺います。  令和4年度で第2期の取組が一区切りを迎える中、4年間の取組の成果と課題について、どのように総括をされているのか、また、今後もさらなる行政改革の推進が必要と思いますが、どのように考えているのか、併せて知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、神奈川独自の、神奈川らしい少子化対策・子育て支援策の拡充について伺います。  本年初頭、政府は、異次元の少子化対策を進めると表明をされました。こども家庭庁の創立も間近に控える中で、今が日本の急激な少子化を食い止める最後のチャンスであるとの危機的な認識も示されています。  〔資料提示〕  世界の国々と比べても、我が国の少子化の現状は深刻であります。通常、人口維持のためには、合計特殊出生率2.07が必要とされている中で、令和3年は日本全体で1.30、また、神奈川県は都道府県ワースト4位の1.22となっています。  先般、東京都では、都独自の子育て支援策の一環として、所得制限なしの児童手当、18歳までの子供のいる家庭に子供1人当たり月額5,000円の支給を表明しました。  東京都は、本来は、子育て支援は国のやるべき仕事であり、全国一律で行うことが理想ではあるが、国がやらないので都が先行して取り組んでいくと発表され、この大きな財政出動を伴う子育て支援策への取組を表明したわけです。  翻って、本県において、東京都と同様の、同規模の財政的子育て支援ができるかというと、本県神奈川と東京都との間には厳然たる財政力の彼我の差が生じており、残念ながら、それは困難であるとの認識は、我が会派も持っております。  しかしながら、財政力の彼我の差を根拠として、我が県としての少子化対策の推進、子育て支援の拡充を諦めてしまうことは、あってはなりません。神奈川は神奈川なりの、その特色や地勢、歴史、文化、県民性に適応した形での神奈川独自の神奈川らしい子育て支援策の拡充というものは、やはり何としても必要です。  〔資料提示〕  特に、現在、日々の生活に様々な課題を抱え、懸命に努力をする家庭や子供たちが数多くおられます。経済的な困窮だけではなく、家庭環境に課題を抱え、連日、子ども食堂を利用して食事を取り、子ども食堂での地域交流に支えられ、生活する世帯、あるいは不登校やひきこもりなどの課題を抱える世帯、ネグレクト被害や社会的孤立に陥りつつある子供たちへの援助、または、ヤングケアラーとしての重い責任を担う子供たちへの生活支援など、喫緊の課題に直面をしています。  物価高、インフレの進む社会の中で、その影響として最も弊害を受けやすいのが、こうした様々な課題を抱えた家庭であり、子供たちであります。  そこで、知事に伺います。  各自治体間での子育て支援の施策充実によって、自治体ごとの子育て環境の充実度に大きく差が開き、子育ての都市間競争が自治体の未来の成長を決定づける大きな要素となりつつある今、本県として、神奈川独自の神奈川らしい少子化対策・子育て支援策の拡充について、どのように取り組んでいかれるつもりであるのか、また、日常生活の中で、困難な課題を抱える家庭の子供たちの生活支援に関して、いかにして支援を拡充していくおつもりであるのか、併せて所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、当事者目線の障害福祉推進条例の普及啓発について伺います。  「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」が昨年10月14日の本会議において全会一致で可決、成立いたしました。  様々な議論を積み重ね、県議会において全会一致での条例制定に至ったことは、大きな意義があったと認識をしております。  県では、条例の実効性を担保するため、新しい基本計画を策定し、計画に基づき、着実な施策の実行に努めていくものと承知していますが、地域共生社会の実現に向けては、県民総ぐるみで取り組んでいかなければなりません。  県民の皆さんに、この条例自体を知っていただくことはもちろん、その意義や理念への理解を深め、できれば共感をしていただき、一人一人が条例の理念の実現に向けて何をしていけばいいのかを考えて、自主的な行動につなげていってもらうことが大切です。  当然、本条例の意義や理念に対しての県民理解を進めることは、一朝一夕になし得るものではなく、効果的なアプローチを検討し、粘り強く普及啓発や広報活動に取り組んでいかなければなりません。  〔資料提示〕  真の地域共生社会の実現のためには、障害を抱えながら懸命に日々の生活を営む方々が、安心して働くことができる環境整備をはじめ、様々な障害者スポーツへの参加を通じて心身の健康維持や、友人、知人、仲間たちとの交流を深めることができる機会の確保、また、社会全体でハード・ソフト両面でのバリアフリーのまちづくりを進めていく必要があります。  そこで、知事に伺います。  令和5年4月から、「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」の施行が予定されているところであり、今後、広く県民に対し、条例の普及啓発を進めていく必要がありますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、所見を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 小林議員の御質問に順次お答えしてまいります。  県政の重要課題について、何点かお尋ねがありました。  まず、行政改革のさらなる推進についてです。  県では、令和元年7月に第2期行政改革大綱を策定し、行政組織の総合力の強化に向けて、職員・組織・仕事の質的向上に着目した改革を進めてきました。  その結果、職員の面では、それぞれが都合のよい時間を選んで研修を受けられるよう、オンライン研修受講システムを導入するなど、コロナ禍にあっても人材育成の取組を続けることができました。  また、組織については、迅速な人事異動や柔軟な配置換えにより、新型コロナ対策などの喫緊の課題に対応した業務体制を整えることができました。  さらに、仕事については、AIやRPAといったデジタル技術の活用により、業務を効率化させるとともに、モバイルパソコンやコミュニケーションアプリの導入により、リモート会議が全庁に普及しました。  こうした成果がある一方で、新型コロナとの闘いが長期化し、職員の業務負担が増す中、メンタル相談が高止まりしていることなども考えると、働きやすい職場環境の整備など、一層の働き方改革に取り組む必要があります。  また、デジタル技術の活用をさらに推し進めることで、業務を効率化させるとともに、県民の皆様がDXによる利便性をもっと実感できるようにしたいと考えています。  行政改革の目的は、行政の組織や運営の仕方を改革することによって、質の高い県民サービスを効果的かつ効率的に提供することにあります。  今後も、こうした改革の目的をしっかりと見据えながら、これまでの成果と課題を踏まえ、社会環境の変化や県民のニーズに的確に対応できるよう取り組んでまいります。  次に、神奈川らしい少子化対策・子育て支援策の拡充についてです。  まず、神奈川らしい子育て支援策についてです。  希望する人が、希望する人数の子供を持ち、子供が健やかに成長できる社会を実現させるためには、子育て支援の拡充が重要と認識しており、今定例会に神奈川県子ども・子育て基金設置の条例案を提案し、80億円の基金積立金を予算案に計上しています。  基金を活用した具体的な子育て支援策については、国の次元の異なる少子化対策の動向を注視しつつ、市町村とも調整しながら、実効性のある施策を練り上げていきたいと考えています。  次に、困難な課題を抱える子供たちへの支援の拡充についてです。  コロナ禍は、子供や若者に深刻な影響を及ぼしていることから、私が本部長である生活困窮者対策推進本部において、全庁を挙げて支援を加速させてきました。  こうした中、県と連携して子供を支援するNPOからは、家庭や学校で困難な課題を抱えながら、声を上げることができずにいる子供や若者に対し、積極的に支援を届けることが必要だと指摘されました。  そこで、令和5年度当初予算案では、地域の身近な見守り拠点である子ども食堂の活動の充実や、学校において困難を抱える子供への相談体制を強化するため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充を計上しています。  また、対面での交流が苦手なひきこもり当事者などが社会とつながるきっかけとなるよう、若者に身近なSNSによる相談や、メタバースを活用した居場所づくりも進めていきたいと考えています。  県は、基金を活用して子育て支援を拡充させるとともに、SDGsの理念の下、NPOや企業など様々な主体と連携して、困難を抱える子供や若者たち一人一人に、しっかりと支援を届けてまいります。  次に、当事者目線の障害福祉推進条例の普及啓発についてです。  当事者目線の障害福祉を推進し、地域共生社会を実現していくためには、多くの県民の皆様の、条例の目的や理念についての理解が必要です。  県では昨年12月に、当事者目線の障害福祉を推進するためのキックオフとなるシンポジウムを開催し、私自ら県民の皆様に、条例の理念の実現に向けた思いなどをお話しさせていただきました。  また、県のたよりでの特集記事の掲載や、障害当事者の生の声を伝える新聞広報、関係団体などに出向いての条例内容の説明など、様々な機会を捉えた普及啓発に努めています。  こうした中、障害当事者や有識者などからは、若年層へのアプローチが大変重要、健常者と障害者が触れ合う経験が大切との意見を頂いています。  そこで、県教育委員会と連携し、人権教育の推進を図る学習教材に、条例の理念の理解に関する内容を盛り込むとともに、若年層へのさらなる効果的な普及啓発の取組について、速やかに検討していきます。  また、障害当事者自身が合理的な配慮の理解に向けた説明を行う出前講座の実施や、障害当事者と県民が共にボランティア活動を行う機会の創出などに取り組んでいきます。さらに、障害当事者により作成した条例の分かりやすい版を活用し、県内各地のイベント等を通じて、広く周知を図っていきます。  県民総ぐるみで、誰もがその人らしく暮らせる、ともに生きる社会を実現していけるよう、条例の理念の周知・普及に、しっかりと取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔小林大介議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 小林大介さん。  〔小林大介議員登壇〕 ◆小林大介議員 1点、知事に再質問をいたします。  行政改革のさらなる推進についてです。  かつての量的削減を中心とした行政改革によって、本県の職員数や組織数は、かなりのレベルまでスリム化が進みました。そうした中で、さらなる行政改革を進めていくには、職員の負担軽減の観点からも、デジタル技術の活用が不可欠と考えています。  先ほどの知事答弁で、4年間の取組の成果として、AIやRPAなどのデジタル技術の活用による業務の効率化を挙げられておりましたが、具体的にはどのような取組がされたのでしょうか。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  AIを活用した取組としましては、例えば、手書きの届出や報告書等を高精度でデータ化するサービスでありますとか、会議等の音声データ、これを自動で文字に変換するシステム、これを導入することによりまして、データ入力や文字起こしに係る業務の効率化を図ってきました。  また、RPAについては、市町村から受領したデータを集計して統計資料を作成する業務や、新型コロナ感染症の療養者に関する情報をシステムに入力する業務など約50業務に導入し、昨年度は年間3万時間を超える業務時間の短縮を実現しています。  このように、AIやRPAの活用によって、職員の大幅な業務負担の軽減につながっております。  答弁は以上です。  〔小林大介議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 小林大介さん。  〔小林大介議員登壇〕 ◆小林大介議員 それでは、意見、要望を申し上げます。  まず、行政改革のさらなる推進ですが、今後の質的な改革の進展については、ICTの利活用、DX推進、さらには御答弁にありましたAIやRPA等の技術活用による業務の効率化、職員の負担軽減が極めて重要であります。  行政のDX推進は遅いとも指摘をされておりますので、特にこの分野での改革のさらなる推進を求めます。  次に、神奈川らしい少子化対策・子育て支援策の拡充でありますけれども、現実問題、地方自治体ごとの都市間競争、政策競争になっている状況にあります。  東京都の子供1人当たり月額5,000円支給は、やはりインパクトが大きい、子供が3人いれば年間で18万円、子供が4人いれば24万円の所得の差が出てくるわけです。これは、神奈川から東京に引っ越すということすらも選択肢になる大きなインセンティブでありまして、正直なところ、私も、じくじたる思いがあります。  神奈川らしい子育て支援策の拡充によって、子供を産んでよかった、住んでよかったと思ってもらえるような施策の推進を重ねて求めたいと思います。  次に、当事者目線の障害福祉推進条例の普及啓発についてでありますが、取り組むべきことは山積しており、一方で、その道のりは長く、ある意味、地味な、堅実な啓発活動の継続こそが、県民理解の促進につながるものと信じております。  県行政当局だけでなく、我々もまた、県民総ぐるみの一員として、先駆けとして、普及啓発に取り組んでまいります。  以上です。  〔小林大介議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 小林大介さん。  〔小林大介議員登壇〕 ◆小林大介議員 質問の第2として、県民生活に直結する課題について、3点伺ってまいります。  〔資料提示〕  初めに、花粉発生源対策について伺います。  花粉症は、我が国の国民病とも言われ、その罹患者数は増加傾向にあるとされています。  昨年12月の県の発表によると、県内の花粉着花量調査で、花粉症の原因とされる杉は過去26年間で最高値となり、ヒノキについても、過去11年間で2番目の値になりました。  本年春の花粉飛散量は、杉・ヒノキともに例年より多く、大量飛散が予測をされています。  これまで本県では、いち早く花粉発生源対策に取り組んできました。対策は、広域的な取組が必要であることから、平成20年に本県が主導して、九都県市花粉発生源対策10カ年計画を取りまとめ、首都圏共同の取組を進め、平成30年に2期目の10カ年計画も取りまとめています。  また、本県独自でも10か年計画を新たに策定したほか、全国に先駆け、いち早く、花粉の少ない苗木や無花粉の苗木の研究開発、普及にも力を入れ、平成24年には、本県が全国で初めて無花粉ヒノキを発見しました。その後も研究開発を続け、令和3年7月に「丹沢 森のミライ」と愛称をつけて、全国初出荷の運びとなっています。  こうした対策の推進により、多くの県民は、神奈川県から花粉症がなくなるということを期待しています。  しかしながら、こうした期待と現実の花粉発生源対策の取組の実情とは、かなりの認識の差があるのではないか。また、効果を実感できないとの声も多く聞かれているところです。  そこで、知事に伺います。  本県の花粉発生源対策の推進によって、将来的にどのレベルにまで花粉を抑制していくことができ、それにはどの程度の時間的なスパンが必要と考えているのか、また、現下の状況を鑑み、これまでの花粉発生源対策を少しでも加速化する取組を講じるべきと考えますが、併せて知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、県立高校における金融教育の充実について伺います。  公教育における金融教育の拡充が、多くの有識者から指摘をされる時代となりました。  〔資料提示〕  国においては、来年よりNISAの大幅な充実を実現する制度改正が示されました。NISAとは、国民の資産形成を強力に後押しする税制優遇制度、少額投資非課税制度であり、新制度では、投資金額、投資期間も大幅に拡大されるなど、画期的な制度改正になっております。  しかしながら、この劇的なNISA制度の拡充に強い関心を持って熱狂する人がいる一方で、多くの方々は、この制度自体の優位性を理解することなく、無関心でいるという現状があります。  現実問題、今の時代において、投資や金融に関する知識の差、関心の差は、個々人によって大きく差が開いております。  私は、この知識と関心の差が、中長期的には修復し難い経済的な格差、貧富の差を生み出してしまうのではないかということを危惧しています。  そこで、昨今では、学校教育の中で、金融に関する知識と理解を深めるためのきっかけとして、金融教育の必要性について議論が巻き起こっています。  〔資料提示〕  本県教育委員会においては、シチズンシップ教育の中で、全ての高校生が公民科や家庭科などの授業において、資本主義社会における経済の仕組みや金融のあらましなどについて理解を深めることができるよう、金融教育を行っています。そのこと自体はすばらしいと思いますし、方向性はよいと思います。  問題は、その質と量、さらには、現実の経済活動に対して、どこまで再現性の高いやり方で実践していくことができるのかという点です。  そこで、教育長に伺います。  これまで行ってきた本県のシチズンシップ教育の過程での金融教育の実践に当たっては、学校の先生だけではなく、銀行や保険会社などの協力も得て進めてきた中で、どのような課題が生じ、改善を図ってきたのか。  また、来年から新NISA制度の運用が始まるなど、国策として、国民に対し、貯蓄から投資への流れが加速していく中で、将来を担う子供たち世代、若年層に対し、金融の知識の格差や関心の分断を埋めていくために、これまで以上に県立高校における金融教育の充実に力を尽くす必要があると考えますが、併せて教育長の所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、県警察におけるこれまでの交通事故防止対策と今後の取組について質問をいたします。  昨年、令和4年、本県の交通事故死者数は、対前年比29名減少の113名となり、統計が残る昭和23年以降で過去最少となりました。これは、重大な二輪車事故の大幅な減少などが死者数の低減につながったものと推察をいたします。  一方で、実は、一昨年の令和3年は、本県は47都道府県で最多となる142名の方が交通事故によってお亡くなりになられています。神奈川は、交通事故死者数ワーストワンとの批判や、県民からも、神奈川は交通事故死者が多いと厳しい声が寄せられ、憂慮する事態でありましたが、こうした状況を、結果として1年で大幅な改善に好転させたことは、県警察の交通安全対策のたまものである、その取組の軌跡を率直に評価をいたします。  もちろん、交通事故による死者数が減ってきたとはいえ、いまだ年間で100名を超える方が亡くなられておりますので、これで対策が十分というものではありません。  交通事故死の撲滅のためには、事故発生箇所の洗い出しを行い、危険箇所の視認性の向上や必要な場所への信号機設置など、ハード面での改修が必要ですし、また、ソフト対策では、車の運転者への意識喚起に加え、歩行者側にも、交通ルールの遵守、交通マナー向上を促し、粘り強く取組を進めることが重要です。  〔資料提示〕  また、本年は、道路交通法の改正により、4月には、全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となるほか、7月には、電動キックボードに関する制度が大きく変更されるなど、新たな交通ルール導入が予定をされ、こうした情勢の変化にも適切に対応していく必要があります。  そこで、警察本部長に伺います。  令和3年には全国ワースト1位だった本県の交通事故死者数が、令和4年には劇的な改善を見せ、統計が残る昭和23年以降、最少となったところでありますが、県警察では昨年、どのような交通事故防止対策に取り組んだのか、また、今後さらなる推進に向け、いかにして取り組まれる決意であるのか、併せて所見を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県民生活に直結する課題についてお尋ねがありました。  花粉発生源対策についてです。  まず、花粉発生源対策による花粉の抑制レベルと抑制にかかる期間についてです。  平成30年に県独自に策定した花粉発生源対策10か年計画では、杉やヒノキの花粉量を、花粉症が社会問題化する以前の昭和50年代後半の水準まで減らすことを将来目標としています。  主な対策は、杉やヒノキの本数を減らす間伐や無花粉苗木等への植え替えですが、水源涵養など森林の公益的機能を損なわないよう配慮して進めるため、将来目標の達成には30年程度かかると考えています。  次に、花粉発生源対策の加速化についてです。  植え替えは、高い効果が期待できますが、その後の手入れが長期にわたることから、森林所有者にとって、費用面での負担が大きな障害となっています。  そこで、県では、所有者の負担軽減のため、高性能林業機械の普及、ICTの活用など、作業の効率化や経費節減に向けた取組を支援してきました。  来年度は、これらの取組に加え、エリートツリーの開発に着手したいと考えています。これは、本県が開発した無花粉杉の中から、成長の早い品種を開発する取組であり、植え替え後の手入れ経費の節減につながることから、所有者にとってインセンティブになると想定しています。  こうした加速化につながる対策を講じることで、少しでも早く目標に近づき、県民の期待に応えられるよう、引き続き取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係の御質問にお答えします。  県立高校における金融教育の充実についてお尋ねがありました。  次代を担う高校生が自立した社会人となる上で、金融に関する正しい知識や判断力など、金融リテラシーを身につけておくことは大変重要です。  県教育委員会ではこれまでも、シチズンシップ教育の指導用資料に、資産運用を体験的に学ぶ授業例を加えるなど、学校に金融教育の取組を促してきました。  また、令和2年度からは、県立高校生学習活動コンソーシアムに参加している金融機関の協力を得て、銀行や保険会社等の専門家が、ライフプランニングや資産形成等に関する出前授業を行う仕組みも整えました。  しかし、その後のコロナ禍の影響で、外部の方が学校に出向くことが難しくなり、出前授業の実績は、これまで3年間で16件にとどまっています。  そこで、県教育委員会では今年度、指導主事や教員らが中心となり、金融リテラシーを身につけさせる実践的、体験的な授業について研究しており、今後、その成果を各学校で活用できるよう周知していきます。  一方、昨年4月に、成年年齢が18歳に引き下げられ、高校生に対する金融教育の必要性は、これまで以上に高まっています。こうした認識の下、今後のコロナ対策の転換の動きなども見据えた上で、改めて学校に、金融に携わっている方から直接話を聞くことができる出前授業の積極的な活用を働きかけていきます。  県教育委員会としては、こうした取組を通じて、今後も学校や金融機関等としっかり連携して、県立高校における金融教育の一層の充実を図ってまいります。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(林  学)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 林警察本部長。 ◎警察本部長(林学) 県警察におけるこれまでの交通事故防止対策と今後の取組についてお答えいたします。  昨年、県内では、交通事故の発生件数、事故により、けがをされた方、亡くなられた方のいずれも前年より減少し、中でも亡くなられた方は113人であり、統計を取り始めた昭和23年以降、最少となりました。そのうち、二輪車乗車中に亡くなられた方は27人であり、前年と比較して20人減少しています。  県警察では、昨年、特に取り組むべき三つの対策と二つの対象として、二輪車、横断歩行者及び自転車それぞれの交通事故防止対策とともに、高齢者及び子供を安全確保の重点対象とする各種取組を推進しました。  具体的には、AIによる事故発生予測等を活用した交通事故総量抑止対策のほか、重大事故に直結する横断歩行者妨害等の交通違反の指導取締り、二輪車や自転車に対する重点路線等における指導取締り等を推進しました。  また、子供から高齢者まで幅広い世代を対象とした参加・体験型の交通安全教育や、SNS等各種広報媒体を活用した情報発信活動のほか、企業、著名人等の協力を得て、効果的な広報啓発活動を行うなど、交通安全意識の高揚を図ったところです。  県警察では、安全で安心な道路交通社会を実現するため、本年も引き続き、三つの対策と二つの対象を重点として、交通情勢の変化にも柔軟に対応しつつ、痛ましい交通事故をさらに減少させるための諸対策を推進してまいります。  また、本年4月から、全ての自転車利用者を対象に乗車用ヘルメット着用が努力義務とされることや、7月から電動キックボード等に係る新たな交通ルールが施行されることにつきましては、関係機関等と連携して、県民の皆様への周知と啓発に努めてまいります。  そのほか、引き続き、横断歩道等の道路標示の補修など交通安全施設の整備についても推進してまいります。  以上でございます。  〔小林大介議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 小林大介さん。  〔小林大介議員登壇〕 ◆小林大介議員 答弁を受けて、1点、教育長に再質問いたします。  県立高校における金融教育の充実についてであります。  金融機関等の専門家による出前授業という答弁がありました。  生徒の理解を深めるため、とてもよい取組であるかなと思いますが、そうした取組の効果については、どのように捉えているのか、伺います。  以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係の再質問にお答えいたします。  出前授業の中では、この先の人生で必要となる様々な費用を書き出すという課題に取り組み、その金額を見て、多くの生徒が驚きの声を上げています。また、今の自分には難しいが、理解しなくていけないことだと思ったという感想もあります。  このように、専門家による出前授業は、生徒たちがライフプランニングを自分事として考える上で大きな効果があると捉えております。  以上でございます。  〔小林大介議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 小林大介さん。  〔小林大介議員登壇〕 ◆小林大介議員 では、この項目の意見、要望を申し上げます。  まず、花粉発生源対策についてですが、知事から、エリートツリーに触れた答弁がありました。このエリートツリー、花粉症と闘うためには非常に大きな武器になると、私は期待をしております。  花粉が出ない杉やヒノキで、さらに成長のスピードが極めて速いというこのエリートツリーが、自然環境に適応して生育することができれば、画期的な花粉発生源対策になりますので、ぜひとも力強く研究開発、商品化を目指していただきたいと思います。  次に、県立高校における金融教育の充実についてですが、教育の場における金融リテラシーの向上、社会に出ていく生徒たちが、これからの時代を生き抜いていくために、非常に重要です。  特に、詐欺まがいの金融商品や、高利率をうたう怪しい投資案件など、現在はネット社会にあふれていますので、未然に防ぐためにも、リテラシーの向上に、特に御留意を願います。  次に、県警察におけるこれまでの交通事故防止対策と今後の取組についてですが、去年、劇的に交通事故死者数が減少したことは、すばらしいことであり、私は、この成功事例に対する効果検証の必要性を認識しております。  実は神奈川は、人口比で見ると、交通事故死者数は極めて少ない県であります。人口比で見ると、本県の事故死者数は47都道府県でワースト46位、つまり2番目に死者が少ないというわけです。こうした統計の誤謬と言いますか、事故が多い、死者が多いという認識の偏りもありますので、正しい情報についての広報にも努めていただきたいと思います。  以上です。  〔小林大介議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 小林大介さん。  〔小林大介議員登壇〕 ◆小林大介議員 質問の第3として、黒岩県政3期目4年間の総括について、2点伺います。  〔資料提示〕  まず、予算規模が拡大する中での県債管理目標について質問をいたします。  新型コロナの発生後、3年にわたり、幾度となく感染拡大の波が繰り返され、本県でも長く苦しい感染症との闘いが続いてきました。  本県の一般会計予算は、新型コロナ対策を中心とした施策を講じていくために、多額の財政支出、予算の拡大が続いてきました。本県の財政規模は、コロナ発生前となる令和元年度の一般会計予算は1兆8,000億円規模でありましたが、令和3年度の最終予算では2兆9,000億円を超え、また、来年度、令和5年度当初予算では、骨格予算でありながら、2兆2,000億円を超えています。まさに本県は、莫大な規模の予算を編成し、また、これを執行しています。  〔資料提示〕  規模が大きいということでは、県債も同様であります。本県財政を振り返ると、平成20年代以降、毎年度、予算編成時には、巨額の財源不足が見込まれるなど、厳しい財政運営を強いられ、また、この間、多額の臨時財政対策債の発行を余儀なくされてきました。  その結果、平成20年代中頃には、県債残高が3兆6,000億円を超え、公債費も増大し、県債を適切に管理する取組が必要な状況となりました。  本県では、県債管理目標を掲げて取組を続けてきており、現在、令和5年度までに、県債全体の残高を2兆円台にまで減少させるという目標に向かって、県債圧縮を進めております。  そうした取組の結果、目標年度である令和5年度末現在高は、当初予算時点で2兆円台が目前となり、目標には僅かに届かないものの、過去に多額の県債残高を抱えていた時期と比べれば、かなり取組が進んだ状況にあると認識をしております。  そこで、知事に伺います。  財政の健全運営を目指し、令和5年度までに県債残高を2兆円台にまで減少させるという目標を掲げて取組を進めてこられましたが、これまでの取組を率直に、どのように自己評価しているのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  最後に、さがみロボット産業特区におけるさらなる技術革新支援の取組について伺います。  本県のさがみロボット産業特区は、2013年2月、国から地域活性化総合特区としての指定を受け、ロボットの開発・実証実験の促進、普及啓発や関連産業の集積が進められています。  その区域は10市2町にまたがり、県北、県央、湘南の広大な地域が特区に認定され、様々なロボット産業に係る取組が展開をし、商品化、実用化につながった事業も多いと認識をしています。  しかしながら、これまでの10年間の特区におけるロボット産業の成果は、決して十分なものであったとは認識しておりません。残念ながら、さがみロボット産業特区のこれまでの軌跡は、その名称の指し示す近未来像からは、いまだ遠い次元にとどまっており、特区からの新たなイノベーション、ロボット産業勃興については、まだまだ理想の達成は遠いと認識をしています。  私どもとしましては、多くの県民と同様、この特区内から技術革新を通じて、いつか世界に羽ばたくロボット関連企業が生まれ出てくれることを心より期待をしております。  本年3月で特区の第2期計画が終了し、令和5年度からは新たに第3期計画が実施をされていく中において、我が国のロボット産業が、アメリカをはじめとする世界の巨大企業による最先端ロボット開発事業と戦っていくために、民間の可能性を引き出すオープンイノベーションの取組は、さらなる強化が必要と考えます。  そこで、知事に伺います。  さがみロボット産業特区の第2期計画が終了し、第3期計画が令和5年度から始まっていく中、日本の企業や大学、研究機関などがこの特区の中で、世界に通用するような新たなロボットを生み出し、新時代を切り開いていくためには、高い技術力をビジネスにつなげるオープンイノベーションの取組に特に注力が必要と考えますが、知事の所見を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 私の県政3期目4年間の総括についてお尋ねがありました。  まず、予算規模が拡大する中での県債管理目標についてです。  これまでの県債の発行状況を振り返りますと、リーマンショック後に、県税収入の大幅な減に伴い、臨時財政対策債が増加したことにより、県債発行額が急激に増加し、私が知事に就任する直前の平成22年度には、1年で3,272億円もの県債を発行する状況にありました。  また、県債残高についても年々増加を続け、平成26年度末に約3兆6,400億円に達し、過去最大となるなど、厳しい状況にありました。  こうした多額の県債を発行せざるを得ない財政運営が続く中、将来世代への負担を抑制することの重要性を県民の皆様と共有するため、平成25年2月に県債管理目標を設定して、県債残高の縮減に向けて取り組んできました。  令和5年度末の県債残高の見込みは3兆664億円となり、目標の達成は難しい状況ですが、現在の県債の発行規模であれば、6年度には2兆円台となる見込みです。  県債管理目標を掲げて10年が経過しますが、これまで収支のバランスを図りながら県債を発行してきたことで、県債残高は過去最大であった平成26年度から約6,000億円縮減することができました。  また、公債費は令和4年度にピークを迎え、今後は減少に転ずるところまで来ています。これまでの取組により、着実に成果を上げてきたと考えており、今後も引き続き、県民生活に影響を与えないよう、適切に県債の発行を管理し、県債管理目標の達成に向けて取り組んでいきます。  次に、さがみロボット産業特区におけるさらなる技術革新支援の取組についてです。  ロボット産業の一層の振興のためには、企業や大学など、多様なプレーヤーが互いの強みを持ち寄り、新たなロボットを創出していくオープンイノベーションの取組が大変有効です。  そこで、さがみロボット産業特区では、県立産業技術総合研究所と連携し、最短期間での生活支援ロボットの商品化を目指して、共同開発に取り組む神奈川版オープンイノベーションを推進してきました。  これまでの取組により、災害対応ロボットや高齢者向け見守りシステムなどが商品化され、近年は、稲の生育状況が確認できるドローンを開発するなど、幅広い分野でのロボットを生み出しています。  今後このような特区発のロボットを切れ目なく生み出し、特区の存在感をさらに高めていくためには、オープンイノベーションに多くのプレーヤーを呼び込み、発想や技術の交流を活発化させ、新たな開発プロジェクトの創出につなげることが不可欠です。  そこで、特区第3期では、特区内の市町と連携し、ロボットの部品を試作・製造できる技術力を持った中小企業を積極的に掘り起こし、オープンイノベーションへの参加を促すことで、互いの強みを生かしたロボット開発や技術革新につなげていきます。  さらに、ロボット開発に必要な技術や部品を、ARやVRなどのデジタル技術を活用し、新たにホームページ上で公開することで、中小企業のオープンイノベーションへの参画を後押ししていきます。  こうした取組により、神奈川版オープンイノベーションを加速化させ、新たなロボットの創出とロボット産業の振興を図っていきたいと考えています。  答弁は以上です。  〔小林大介議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 小林大介さん。  〔小林大介議員登壇〕 ◆小林大介議員 1点、再質問をいたします。  県債管理目標についてです。  県債残高の内訳を見ると、本来の県債よりも、臨時であるはずの臨時財政対策債の比率が高く、全体の5割を超えています。この臨財債の今後の縮減に向けての見通しを伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  令和5年度末の臨時財政対策債の残高見込みは約1兆7,500億円、県債全体の57%に上ります。そもそも臨時財政対策債は、地方交付税の代替措置であり、本来の姿である地方交付税に復元されるべきものです。  こうしたことから県は、全国知事会等とも連携し、国に対して制度の廃止・縮減を求めてきました。その結果、地方全体の臨時財政対策債の縮減が図られ、本県の発行額は過去の2,000億円台から、令和5年度は500億円にまで減少する見込みです。  今後も、引き続き国に働きかけながら、臨時財政対策債の残高の縮減に努めてまいります。  答弁は以上です。  〔小林大介議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 小林大介さん。  〔小林大介議員登壇〕 ◆小林大介議員 最後に、意見、要望を申し上げます。  予算規模が拡大する中での県債管理目標ですが、目標には僅かに届かないまでも、このコロナ禍という未曽有の危機的状況の中にあって、財政支出が拡大している中で、財政再建の取組も推進してきたこと、そして、ここまで県債残高を縮減できたことは評価をしております。  将来世代へ、あまりにも過大な財政上の負担を残すことがないよう、今後も、県債の適正管理やバランスの取れた財政運営に努めていただくよう求めます。  次に、さがみロボット産業特区の取組でありますが、圧倒的な規制緩和、ビジネスマッチング、財政面・金融面での支援と併せ、高い技術をビジネスの成功につなげるオープンイノベーションの取組は非常に重要です。  特区の中で、民間の様々な挑戦の失敗と挫折を許容し、自由な発想での再挑戦を何度でも後押しする取組を強く求めます。  以上、黒岩県政3期目4年間の総括について伺ってきたわけでありますが、翻って、この4年間の黒岩県政に対して、我が会派としては、二元代表制の下、会派の理念や政策を知事当局にぶつけ、県民利益の拡充のため、議論の切磋琢磨によって、公益に資する結果を残さんと取り組んでまいりました。  その過程では、必ずしも、黒岩知事の目玉政策、重点施策に対して、もろ手を挙げて賛成をしてきたわけではありませんし、時に積極的に背中を押し、時に批判的な立ち位置から意見するなどし、一定の緊張感を持って対峙をしてまいりました。  一方で、黒岩知事がこの間、新型コロナ対策をはじめとして、県民の命と生活を守るための喫緊の課題に、文字どおり、身命を賭して取り組まれてきたことは承知しております。  知事のその双肩には、重い責任と果たすべき使命がのしかかり、時にそれは、県民の命の死活を決するに至るほどの枢要なものでありました。知事がどれほどの孤独の中で、葛藤と熟慮を重ね、重い政治的決断を下されてきたのか、拝察するしかありませんけれども、知事がこれまで、県民の命を守るため、生活を守るため、取り組まれた軌跡には、私は心から敬意を表する次第です。  ひっきょう、知事は4度にわたり、県政の重責を担うために、県民の審判を仰ぐ決意を固められたとのことであります。一方、私どもも一定の民意を代表し、県民全体の公共の福祉のために従事をしている身であり、二元代表制の下、我々もその本分、務めを果たせるよう、県民の厳しい審判、判断を仰いでまいります。  以上で、私の最後の代表質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○副議長(曽我部久美子) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(曽我部久美子) 御異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(曽我部久美子) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  お諮りいたします。  明21日は休会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(曽我部久美子) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  次回の会議は、2月22日午前10時30分に開きます。  本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでした。                  午後3時43分 散会...